
第39回岡山県作業療法学会

学会長ご挨拶

大野宏明
(川崎医療福祉大学リハビリテーション学部作業療法学科)
第39回岡山県作業療法学会の開催にあたり、皆さまに心よりご挨拶申し上げます。
本年度の学会テーマは「物語を聴き、物語を紡ぐ作業療法」です。作業療法士は、対象者のこれまでの人生や抱えている困りごとに耳を傾け、寄り添いながら支援していく専門職
です。障害を抱えながらも、その人らしい人生を歩めるよう伴走者として支援することは、私たちの根幹をなす姿勢であり、作業療法の本質そのものです。
医療・福祉・地域支援の現場では、対象者が語る言葉の背景には、苦難や葛藤、希望や
再生のプロセスが常に存在しています。私たちがその物語を丁寧に受け止めることは、
単なる情報収集ではなく、対象者理解を深める重要な営みです。本学会では、理論や評価法の再考、実践の共有、そして多領域の専門家による議論を通して、対象者の物語に寄り添う作業療法の価値を改めて見つめ直す機会としたいと考えています。
今年度は、基調講演、教育講演、学会長講演、シンポジウム、分科会企画、一般演題、
ポスター発表など、多彩なプログラムを準備しています。特に、当事者としての経験を
語っていただく教育講演は、市民向け講演会として、一般の方にもご参加いただくことを
考えています。実践を深めるシンポジウムは、作業療法の未来を考えるうえで大きな示唆を与えてくれるはずです。また、特定の領域やテーマに興味・関心を持つ会員が集まって、
研修会を企画・運営する分科会も実施します。このような企画を通して会員のコミュニティ形成を図るとともに、若手からベテランまで幅広い参加者が交流できる場にしたいと考えています。
本学会は、多くの実行委員、サポート委員、関係者の皆さまの協力によって支えられて
います。準備段階から積極的に関わってくださった皆さまに深く感謝申し上げます。参加者
一人ひとりが、対象者の物語に向き合う姿勢を再確認し、明日からの実践に新たな視点を
持ち帰っていただける学会となることを願っています。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。